債券市場(読み)さいけんしじょう(英語表記)bond market

翻訳|bond market

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「債券市場」の意味・わかりやすい解説

債券市場
さいけんしじょう
bond market

債券の取引される市場。株式の取引される株式市場とともに証券市場を構成する。取引される債券が公債,社債であるため公社債市場とも呼ばれる。債券市場は新しい債券の発行のための起債市場 (発行市場) と既存の債券の売買を行う流通市場とから成るが,狭義には後者を意味する場合が多い。通常の債券発行の方法には,政府保証債や事業債のように不特定多数を対象に公募発行される場合 (公募債) と,発行者が縁故関係のある金融機関にあらかじめ応募の可能性を打診して発行額などを決定する縁故募集 (縁故債または私募債) などがある。なお公募発行での募集残額は引受会社の責任で引取ることになっている。 J.M.ケインズの流動性選好説における利子率は,債券の利回りで表わされているように,債券市場と貨幣市場は密接な関係にある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の債券市場の言及

【証券市場】より

…株式市場は株券が発行され,また流通する市場である。公社債市場は,国が発行する債務証書である国債,地方公共団体が発行する地方債,公社・公団・公庫が発行する国有特殊法人債(公社・公団・公庫債),株式会社が発行する社債(以上の各種債券を総称して公社債という)が取引される場であり,債券市場ともいわれる。受益証券市場は,証券投資信託や貸付信託における受益者の権利を化体した証券が取引される場である。…

※「債券市場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android