僧形八幡神像(読み)そうぎょうはちまんしんぞう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「僧形八幡神像」の意味・わかりやすい解説

僧形八幡神像
そうぎょうはちまんしんぞう

僧侶(そうりょ)の姿形をもって表された八幡神の像。神仏混淆(こんこう)、本地垂迹(ほんじすいじゃく)説により、八幡神が八幡大菩薩(ぼさつ)とされた結果である。彫像に多く、図像でも描かれている。その最古遺品は京都・東寺蔵のもの、それに次ぐのが奈良薬師寺の休(やすみ)が岡八幡社の像であり、鎌倉時代の名工快慶作の奈良・東大寺手向山(たむけやま)八幡社の像(以上いずれも国宝)も有名である。普通、女神二体を従えた三体像につくられるが、これは八幡神が応神(おうじん)天皇に擬されたことにより、二女神も大帯比売(おおたらしひめ)(神功(じんぐう)皇后)、比売神(妃である仲津(なかつ)姫)とされたことによる。

[佐藤昭夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「僧形八幡神像」の意味・わかりやすい解説

僧形八幡神像
そうぎょうはちまんしんぞう

平安時代に盛んであった神仏習合の思想である本地垂迹説により,八幡神が剃髪し,袈裟を着け,手に錫杖をもち蓮華座にすわる僧の姿として表現されたもの。薬師寺蔵の同神像 (9世紀末) ,および東大寺蔵の快慶作坐像 (1201) が代表作例。

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旺文社日本史事典 三訂版 「僧形八幡神像」の解説

僧形八幡神像
そうぎょうはちまんしんぞう

僧の形をした八幡神の像
平安時代の神仏習合の影響により仏像彫刻にならってつくられた神像彫刻の代表的なもの。東寺にある僧形八幡像は最古のものとして著名

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