億劫(読み)おっこう

精選版 日本国語大辞典 「億劫」の意味・読み・例文・類語

おっ‐こう オクコフ【億劫】

[1] 仏語。一劫の億倍。きわめて長い時間。→劫(こう)
撰集抄(1250頃)一「さて今生もの憂てはせ過ぎ、悪趣に趣きなば、億劫にもあかりかたるべし」
[2] 〘形動〙 たやすくすることがむずかしいさま。転じて、面倒で気が進まないさま。おっくう。
談義本・当世花街談義(1754)二「其の法と言は、殊外(ことのほか)おっこうにて中々むさと授けられぬものなれど」

おっ‐くう オククフ【億劫】

〘名〙 (形動)(「おくこう」の変化した語) わずらわしくて気が進まないさま。めんどうくさいこと。おっこう。
※咄本・近目貫(1773)「そんなおっくうな事じゃない」
おっくう‐が・る
〘自ラ五(四)〙

おく‐こう ‥コフ【億劫】

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デジタル大辞泉 「億劫」の意味・読み・例文・類語

おっ‐くう〔オククフ〕【億×劫】

[形動][文][ナリ]《「おっこう(億劫)」の音変化》めんどうで気が進まないさま。「ものを言うのも億劫だ」→億劫おっこう
[派生]おっくうがる[動ラ五]おっくうさ[名]
[類語]面倒臭い世話煩雑面倒めんどう厄介手数てかず・てすう複雑煩瑣難しいうるさい煩わしいややこしいやかましいくだくだしいうっとうしいこうるさい気詰まりしち面倒しち面倒臭い難儀煩多錯雑錯綜さくそうしち難しい入り組む込み入る手が込む気が重い気が進まない気乗り薄うんざり渋る投げ遣り大儀懶惰らんだ横着怠慢怠惰不精懈怠けたい飽き飽き世話が焼ける手が掛かる冗長繁簡ごたごたもつれる入り乱れる紛糾ごっちゃ乱雑雑然

おっ‐こう〔オクコフ〕【億×劫】

[名]仏語。一劫の億倍。すなわち、非常に長い時間。永遠。→こう
[形動]《それをするには長い時間がかかるところから》「おっくう(億劫)」に同じ。
「其の法と言ふは、殊外ことのほか―にて、中々むさと授けられぬことなれども」〈洒・当世花街談義〉

おく‐こう〔‐コフ〕【億×劫】

おっこう(億劫)

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普及版 字通 「億劫」の読み・字形・画数・意味

【億劫】おくごう

無限の時。

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