優填王思慕像(読み)うでんおうしぼぞう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「優填王思慕像」の意味・わかりやすい解説

優填王思慕像
うでんおうしぼぞう

釈尊釈迦)在世中にインド優填王(ウダヤナ Udayana)がつくらせたという最初の仏像。仏像は釈尊の在世中はもとより,その後も長い間つくられなかった。しかし『増一阿含経』などの経典は,釈尊が母(→摩耶夫人)に説法するために忉利天に昇って不在の間に,優填王が釈尊を思慕し,牛頭栴檀(ごずせんだん。牛頭山でとれたという香木)で仏像をつくらせたと伝えている。日本では,奝然が寛和1(985)年に将来した,京都府京都市の清涼寺にある国宝『木造釈迦如来立像』がこの伝説と結びつくもので,三国伝来の釈迦瑞像として名高い。

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