元紅酒(読み)げんこうしゅ

飲み物がわかる辞典 「元紅酒」の解説

げんこうしゅ【元紅酒】


紹興酒一種で、4種のうちもっとも基本的な製法で製するもの。糖分は0.5%以下と4種の中でもっとも辛口で、また中国ではもっとも一般的に飲まれている。主原料のもち米を蒸し、酒薬と呼ばれる特殊な麹からつくる酒母や麦の麹などを加えて発酵させてもろみをつくり、圧搾して酒かすをこし分け、かめで熟成させる。酒薬はうるち米の米粉にやなぎたでの粉末を混ぜ、水で練り固めて餅のようにし、これに古い酒薬の粉末をまぶしてねかせ、麹菌酵母乳酸菌などの微生物を培養したもの。また、もち米を蒸す前に水に浸漬するが、その間に乳酸発酵が生ずる。蒸したもち米を発酵させる際には、この乳酸発酵成分を含んだ水も仕込み水に加えて用いる。アルコール度数は15~16度程度。◇古く、朱紅色のかめで貯蔵したことから。

出典 講談社飲み物がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の元紅酒の言及

【紹興酒】より

… 紹興酒にはいくつかの種類がある。標準品というべきものが元紅酒(ユワンホンチユウ),それよりも50%程度原料米を多く用いた濃醇(のうじゆん)なものが加飯酒(チアフアンチユウ),紹興酒のかすからとった焼酒(焼酎)を仕込み水の一部に使った甘い香雪酒(シアンシユエチユウ),仕込み水の代りに3年以上陳醸(熟成)の元紅酒を使った,ぜいたくな酒を善醸酒(シヤンニアンチユウ)という。また,表面に厚くセッコウを塗り,それに精細な彫刻を施し,多彩に着色したつぼに入れた花彫酒(ホワテイアオチユウ)や,生まれた女児が嫁入りするまで地中に埋めて陳醸する女児酒(ニユーアルチユウ)も,品質的には加飯酒である。…

※「元紅酒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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