「あてがい」とも。宛行とも。平安時代以降の前近代社会で,所領の支配者が自己の所領の一部を縁者や支配下の人物に与えること。領主や地主が農民に耕作する土地を割りあてたり,荘園領主が荘官に給田・給畠を与える,将軍や大名が御家人や家臣に知行地を恩給するなど。その際,給与者から被給与者に交付された文書を充行状または充文(あてぶみ)といった。充行の対象はしばしば作職(さくしき)・下司(げし)職・地頭職などと表現され,充行状が補任状の形式をとる場合もあった。武家社会では主人の従者に対する恩恵行為として,既得所領を承認する安堵(あんど)とともに最も重要とされた。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
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