先先(読み)まずまず

精選版 日本国語大辞典 「先先」の意味・読み・例文・類語

まず‐まず まづまづ【先先】

[1] 〘副〙 (副詞「まず」を重ねたもの)
① 「まず(先)①」を強めたいい方。
※続日本紀‐慶雲四年(707)七月一七日・宣命「先(まヅまヅ)天下公民の上を慈び賜はく」
② 「まず(先)②」を強めたいい方。
※枕(10C終)一八七「強ひて呼びおろしてふしたるに、まづまづと呼ばるれば」
③ 「まず(先)③」を強めたいい方。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉三「其皃容(かほだち)はどうかといふと、まづまづ丸皃の別品で」
[2] 〘形動〙 完全にとはいかないが、ある程度評価できるさま。「まずまずの顔」「出来ばえは、まずまずだ」
壁紙を貼る女(1970)〈大原富枝〉「いまの場合はまずまずらしかった」

せん‐さき【先先】

〘名〙 「先(さき)」を強めていった語。
※玉塵抄(1563)九「王にはならねども位が高ほどに偃が駑馬のつれとせんさきを争わうず身ではないと云心ぞ」

せん‐せん【先先】

語素〙 前の前。二つ前。前前(ぜんぜん)。「先々月」「先々週」「先々代」など。

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デジタル大辞泉 「先先」の意味・読み・例文・類語

さき‐ざき【先先/前】

これから過ごす遠い先。行く末。のちのち。「―のことを考える」
出かける場所場所。「行く―で歓迎を受けた」
以前。まえまえ。「―から周到用意をしていた」
それぞれの端の部分。はしばし。「枝の―」
[類語]のち事後その以後爾後じご以降今後さき後後あとあと後後のちのち直後将来未来近未来行く末末末前途向後自今来たる目先行く先行く手行く行く行方先行き生い先後年他年この後これから向こう

せん‐せん【先先】

[語素]年月順序を示す名詞の上に付いて複合語をつくり、その前の前である意を表す。前々ぜんぜん。「先先週」「先先代の会長

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