先見の明(読み)センケンノメイ

デジタル大辞泉 「先見の明」の意味・読み・例文・類語

せんけん‐の‐めい【先見の明】

《「後漢書」楊彪伝から》事が起こる前にそれを見抜く見識先見しき
[類語]耳聡い耳が早い早耳地獄耳目聡い目が早い予覚炯眼けいがん飛耳長目敏感鋭敏明敏さと犀利さいり気が利く嗅ぐ嗅ぎ付ける嗅ぎ出す嗅ぎ当てる嗅ぎ取る嗅ぎ分ける虫の知らせ虫が知らせる機敏俊敏賢い鋭い賢しい過敏利口利発聡明怜悧れいり慧敏穎悟えいご英明賢明シャープ第六感予感直感ひらめき察知インスピレーションぴんとぴんと来る鼻が利く感じ取る気が付く

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精選版 日本国語大辞典 「先見の明」の意味・読み・例文・類語

せんけん【先見】 の=明(めい)[=識(しき)

物事がおこる以前に見抜く見識。将来のことを見通すかしこさ。
史記抄(1477)七「此ほどに先見の明で知たならば」
蘭東事始(1815)下「是、我不才より先見の識乏き故なるべし」 〔後漢書‐楊彪伝〕

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故事成語を知る辞典 「先見の明」の解説

先見の明

将来のことを見通す知恵。

[使用例] もちろん読唇術というのは非常に原始的な技術であって、いろいろと欠点も多い。〈略〉しかし過渡的手段としては有効です。あんたが読唇術を習得したのは先見の明があったと言うべきですな[村上春樹*世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド|1985]

[由来] 「後漢書ようひょう伝」に出て来るエピソードから。三世紀、後漢王朝末期の中国でのこと。の国の君主曹操そうそうは、ようしゅうという人物の才能を高く評価していましたが、とある理由から、彼を処刑してしまいました。その後、楊脩の父、楊彪に会ったとき、曹操が、「かなり瘦せたな」と声を掛けると、楊彪は、「恥ずかしながら『先見の明(将来を見通す知恵)』がなく、わが子を溺愛していたものですから」と答えた、ということです。

[解説] このときの楊彪の答えからは、「舐犢の愛という故事成語も生まれています。

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