光電磁効果(読み)コウデンジコウカ(英語表記)photoelectromagnetic effect

化学辞典 第2版 「光電磁効果」の解説

光電磁効果
コウデンジコウカ
photoelectromagnetic effect, PEM effect

図のように,磁場中においた半導体に,表面付近で強く吸収される光を照射すると,そこに電子正孔対ができ,その濃度勾配のためキャリヤー内部に拡散し,その途中でキャリヤーはローレンツ力によって磁場に曲げられ,試料の両端電位差を生じる.すなわち,デンバー効果で生じた拡散電流に対するホール効果である.この効果により,表面再結合速度や,少数キャリヤー寿命を測定することができる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「光電磁効果」の意味・わかりやすい解説

光電磁効果
ひかりでんじこうか
photoelectromagnetic effect

半導体などに外部から磁場を加え,それに垂直に強い光を照射したとき,磁場および光に垂直な方向起電力が発生する現象。 PEM効果。強い光の照射により,固体の表面近くに多くの電子と正孔が形成され,それらが内部に向かって拡散することにより電流が流れるが,この電流に対するホール効果として現れた起電力のことである。インジウムアンチモン InSb,インジウムヒ素 InAsを用いて赤外線検知器として応用されている。

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法則の辞典 「光電磁効果」の解説

光電磁効果【photo-electromagnetic effect】

半導体結晶の一つの面に光を照射し,これと垂直な向きに磁場をかけると,このどちらに対しても直角な方向に起電力が生じる.光磁気効果*と呼ぶこともある.

光電磁効果【photoelectromagnetic effect】

半導体に磁場を印加し,これと垂直な方向から光を照射すると,磁場と光の両方に垂直な方向に起電力が生じる.これを利用して赤外線検出器などがつくられている.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の光電磁効果の言及

【光電効果】より

…またデンバー効果を起こす試料に,光の照射方向と垂直方向に磁界を加えると,デンバー効果で生じた拡散電流がローレンツ力を受け,光の照射方向と磁界の方向の両者に垂直な方向に起電力を生ずる。この現象を光電磁効果photoelectromagnetic effect,またはPEM効果と呼ぶ。PEM効果を利用して,磁界検出素子や赤外線検出器が作られている。…

※「光電磁効果」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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