全国各界救国連合会(読み)ぜんこくかくかいきゅうこくれんごうかい(英語表記)Quan-guo ge-jie jiu-guo lian-he-hui

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「全国各界救国連合会」の意味・わかりやすい解説

全国各界救国連合会
ぜんこくかくかいきゅうこくれんごうかい
Quan-guo ge-jie jiu-guo lian-he-hui

1936年5月 31日中国各地の救国会あるいは救国団体の連合体として結成された抗日救国のための全国的組織。略称は全救連。 31年の満州事変以後,日本軍の東北占領に続く華北侵入によって中国国内に高まりつつあった抗日救国運動は,35年 12月一二・九運動契機として全国的な高揚をみせ,各都市に多くの階層別,職業別の各種の救国組織がつくられていった。 36年5月 31日と6月1日の両日,上海で全救連の創立大会が開かれた。大会宣言は,救国戦線の当面の主要な任務は全国各党各派の徹底的団結と共同抗日を促すことであることを明らかにした。また大会で採択された「抗日救国初歩政治綱領」は,救国戦線の共通の敵は日本帝国主義と漢奸であり,結社,集会,言論,出版の自由は連合戦線に不可欠であること,各党派の合作による抗日会議,普通選挙による国民救亡会議,統一的な救国政権が必要であること,世界の反日反戦の人民勢力と連合すること,国難教育方案を実行すること,などの多面的な政策を提起した。救国会の運動は,内戦停止,一致抗日という国民諸階級,諸階層の最も切実な民族的要求組織化したものであり,36年 12月の西安事件を経て 37年の第2次国共合作を成立させ,広範な抗日民族統一戦線を結成するのにきわめて大きな役割を果した。抗日戦争勝利後は中国人民救国会名称を改めている。

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