全駐留軍労働組合(読み)ぜんちゅうりゅうぐんろうどうくみあい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「全駐留軍労働組合」の意味・わかりやすい解説

全駐留軍労働組合
ぜんちゅうりゅうぐんろうどうくみあい

在日米軍基地で働く人たちで結成されている労働組合略称全駐労。組合員数1万6425人(2011年3月)。国公関連労働組合連合会(国公連合)に加盟し、その国公連合を介して、日本労働組合総連合会(連合)に加盟。

 1946年(昭和21)9月1日、全進駐軍労働組合同盟として駐留軍間接雇用労務者をもって結成され、1950年の日本労働組合総評議会(総評)結成に参加し、全連合軍労組と合併、1952年4月、講和条約発効とともに、全駐労と改称した。1954年に全日本駐留軍労働組合(全日駐)の一部、1959年に日本駐留軍労働組合(日駐労)、関西駐留軍労働組合(関西駐労)と合併、1979年には全沖縄軍労働組合(全軍労)と統一した。全駐労は、日米安全保障条約廃棄と基地に頼らぬ職場と職業の保障を政府に要求し、また米軍基地縮小や閉鎖に伴う解雇に反対し、解雇後の生活、職業の保障を求めて運動を展開してきた。日米基本労務契約改定賃金引上げなどを要求した統一スト、1954年の特別退職金を要求した全国統一ストに加えて、1962年の賃金体系闘争(1963年1月より国家公務員に準じた賃金体系が実施される)、1964年の大量人員整理に反対する雇用安定闘争、1967~1968年の退職手当増額闘争などがある。日本公務員労働組合共闘会議公務員共闘)加盟。

[大野喜実・早川征一郎]

『全駐留軍労働組合編『全駐留軍労働組合運動史』第1~7巻(1965~1995・労働旬報社)』

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百科事典マイペディア 「全駐留軍労働組合」の意味・わかりやすい解説

全駐留軍労働組合【ぜんちゅうりゅうぐんろうどうくみあい】

略称は全駐労。在日米軍基地労働者の全国組織。1946年全国進駐軍労働組合同盟として発足,1952年現名に改称。1953年ころは組合員12万を結集。一般の労働組合と同等の権利を有するが,日本政府による間接雇用の形をとっているため制約も多い。公務員共闘会議の一員で,連合に加盟している。組合員1万5386人(1999年)。

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