八幡巻(読み)やわたまき

精選版 日本国語大辞典 「八幡巻」の意味・読み・例文・類語

やわた‐まき やはた‥【八幡巻】

〘名〙 (もと八幡牛蒡を用いたところから) 鰻・穴子などの肉を内側にして牛蒡に斜めに巻きつけて焼いたもの。
※歌舞伎・日月星享和政談(延命院)(1878)二幕「八幡(ヤハタマキ)と鱧(はも)のうま煮を、二鉢のけておきました」

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デジタル大辞泉 「八幡巻」の意味・読み・例文・類語

やわた‐まき〔やはた‐〕【八×幡巻(き)】

煮て調味したゴボウしんにし、穴子・うなぎなどで巻いて付け焼きにした料理。ゴボウの産地八幡にちなむ。牛蒡巻ごぼうまき。

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世界大百科事典(旧版)内の八幡巻の言及

【アナゴ(穴子)】より

…現在一般に賞味されるのはマアナゴで,ギンアナゴがそれに次ぐ。背開きにして骨,わた,ひれなどを除き,てんぷら,蒲焼,すし種,煮物,八幡巻(やわたまき)などにする。すし種には薄味に煮ておいたものを使い,軽くあぶってにぎる店もある。…

【ウナギ(鰻)】より

…福岡県柳川市の名物である〈蒸籠蒸(せいろむし)〉は,ウナギ飯をせいろうに入れて蒸したものである。そのほか,蒲焼を卵焼きに巻きこんだ〈うまき〉,キュウリもみに刻みこんだ〈うざく〉,煮たゴボウを巻きこんだ八幡巻(やわたまき)などもつくられる。素焼きはワサビじょうゆで食べるのがよく,肝はすまし仕立ての肝吸いや串焼きにされる。…

【ゴボウ(牛蒡)】より

…各地に良質のゴボウがあったが,京都では八幡(やわた)ゴボウや堀川ゴボウが有名であった。前者は石清水(いわしみず)八幡宮近傍で産したもので,八幡はゴボウの代名詞にもなり,いまも煮たゴボウをアナゴやウナギで巻いたものを八幡巻と呼んでいる。現在では以上のほか,きんぴら,精進揚げ,柳川なべなどに用いられる。…

※「八幡巻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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