公事物(読み)くじもつ

精選版 日本国語大辞典 「公事物」の意味・読み・例文・類語

くじ‐もつ【公事物】

〘名〙 中世公事(くじ)②として徴収された物産現物で納めたもの。公物
高野山文書‐正平九年(1354)一〇月日・隅田庄三供僧契状「此外云年貢公事物、或雖何物、不預所縡

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の公事物の言及

【公事】より

…雑公事が免除される田畠・在家もあったが,これらは免田,免畠,免在家と呼ばれ,特定の公事を務める人に対して報酬として免除されたものであって,その人はそれらの田畠・在家から雑公事分の得分を得ていた。(3)中世末~近世の訴訟の別称 室町時代になると課役としての公事は,公事役とか公事物とか呼ばれ,その内容,種類も増えたが,それと並行しながら訴訟を公事と表現する用法が広まった。上から下に課される課役とはまったく逆に,下から上にむけられる訴訟が公事とよばれるにいたった背景には,裁判権をもつものこそが公権力たりうるという当時の社会の動向があったとみられる。…

※「公事物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android