六放海綿(読み)ロッポウカイメン

デジタル大辞泉 「六放海綿」の意味・読み・例文・類語

ろっぽう‐かいめん〔ロクパウ‐〕【六放海綿】

六放海綿綱海綿動物総称。体は管状などで、骨片珪酸質からなり、三軸性の六放射状が基本。深海に産し、ホッスガイカイロウドウケツなどがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「六放海綿」の意味・わかりやすい解説

六放海綿
ろっぽうかいめん

海綿動物門のうち、一綱Hexactinellidaを構成する動物の総称。この類は、骨片が三軸性の基本型をもつのが特徴。深海産で比較的大形の種類を含み、ケイ酸質よりなる骨片が大きく、骨格がしっかりしているものが多いので化石として残りやすい。微小骨片を有するので、その形状によって次の二つの群に分けられる。(1)両盤体をもつものでバテイカイメンやホッスガイを含む。(2)六放星体をもつものでキヌアミカイメン、カイロウドウケツ、ツリガネカイメンなどを含む。分類上、石灰海綿と対比する意味で、かつて無石灰海綿のなかに尋常海綿とともに編入されたことがある。

 この類は、深海産のため人の目につくことは少ないが、カイロウドウケツなどは骨片の束が細かい籠(かご)の目のようになっており、外国でも「ビーナスの花籠」とよび古来飾り物として珍重されてきた。日本の六放海綿は相模(さがみ)湾産のものがよく研究されている。

[星野孝治]

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改訂新版 世界大百科事典 「六放海綿」の意味・わかりやすい解説

六放海綿 (ろっぽうかいめん)

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世界大百科事典(旧版)内の六放海綿の言及

【カイメン(海綿)】より

…カイメンの寿命についてはよくわかっていないが,淡水カイメンは1年以内と考えられている。しかし,六放海綿類で直径が1mにもなるウマカイメンの1種は50年以上もたっているといわれる。
[分類]
 海綿動物は骨格の特徴から次の3綱に分けられる。…

※「六放海綿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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