六方衆(読み)ろっぽうしゅう

精選版 日本国語大辞典 「六方衆」の意味・読み・例文・類語

ろっぽう‐しゅう ロクハウ‥【六方衆】

〘名〙 奈良の興福寺六方組織に属する本寺末寺の僧。六方法師。→六方②。
大乗院寺社雑事記‐文明三年(1471)正月二日「六方衆等就内外計略、是非共以可始行之由申合学侶了」

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デジタル大辞泉 「六方衆」の意味・読み・例文・類語

ろっぽう‐しゅう〔ロクパウ‐〕【六方衆】

中世、奈良興福寺僧兵

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「六方衆」の意味・わかりやすい解説

六方衆
ろっぽうしゅう

平安末以後、奈良興福寺衆徒(しゅと)を構成していた、大和(やまと)国一円の興福寺末寺の衆徒をいう。『大乗院寺社雑事(ぞうじ)記』によれば、戌亥(いぬい)方(北西)の當麻寺(たいまでら)など8か寺、丑寅(うしとら)方(北東)の富貴寺(ふきじ)など7か寺、辰巳(たつみ)方(南東)の明王寺など2か寺、菩提(ぼだい)院方の海住山寺(かいじゅうせんじ)など14か寺、龍花(りゅうげ)院方の長谷寺(はせでら)など10か寺、そして未申(ひつじさる)方(南西)は寺名伝わらず、以上六方の衆徒をさす。東西金堂衆などとともに興福寺衆徒として強訴(ごうそ)などした。

[木内曉央]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「六方衆」の意味・わかりやすい解説

六方衆
ろっぽうしゅう

六方大衆,六方衆徒,方衆ともいう。興福寺の僧衆のこと。興福寺では六方の子院 (戌亥,丑寅,辰巳,未申,竜花院菩提院) の僧侶をいった。特に鎌倉室町時代,末寺を分有し,各方の僧に武器を装備させ,軍事警察権を行使した。 (→僧兵 , 衆徒 )

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