六欲天(読み)ろくよくてん

精選版 日本国語大辞典 「六欲天」の意味・読み・例文・類語

ろくよく‐てん【六欲天】

〘名〙 仏語欲界色界無色界三界諸天の中、欲界に属する六つの天。すなわち、四王天忉利(とうり)天・夜摩(やま)天・兜率(とそつ)天・楽変化(らくへんげ)天・他化自在(たけじざい)天。六欲
※観智院本三宝絵(984)下「六欲天のたのしびさかなるも〈略〉皆僧に湯をあむししによりて也」

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デジタル大辞泉 「六欲天」の意味・読み・例文・類語

ろくよく‐てん【六欲天】

仏語。三界のうちの欲界に属する六つの天。四王天・忉利天とうりてん夜摩天兜率天とそつてん楽変化天他化自在天たけじざいてん六天

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世界大百科事典(旧版)内の六欲天の言及

【天】より

…この天上の父神という性格は,一般に遊牧民族に固有の家父長的・父権的な社会構成にもとづくとされ,ユダヤ教,キリスト教,イスラム教などにみられる天上の唯一神の信仰形式をも方向づけることになった。 仏教では兜率(とそつ)浄土のように天上に極楽を想定する世界観が発達したが,しかし同時に,たとえば六欲天のように天界の領域をさまざまに区分して,そこに迷いの世界を設定しているのであって,天はかならずしもそれ自体として崇拝の対象とされたのではなかった。日本の神話においては,海上のかなたに想像された常世(とこよ)の国の考え方と並んで,天上に高天原(たかまがはら)(高天原神話)をおく観念が成立し,そこには数多くの天津神(あまつかみ)が存在すると考えられた。…

※「六欲天」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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