六盤水(読み)りくばんすい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「六盤水」の意味・わかりやすい解説

六盤水
りくばんすい / リウパンショイ

中国、貴州(きしゅう)省西端にある地級市。長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))以南では最大規模の炭田市域とし、「西南燐(りん)海」(燐は石炭のこと)の異名をもつ。人口277万6910(2010)。鐘山(しょうさん)区と六枝(りくし)特区、水城(すいじょう)県、盤(ばん)県からなり、市の行政の中心は鐘山区にある。かつては水城、六枝、盤県の3県であったが、1964年の工業開発(炭鉱開発)の実施に伴い、翌1965年3県に行政と企業経営を一体化した特区を設置した。1970年六枝と盤県では県と特区を合併、1978年六盤水地区を地級市に改めた。

 市域の60%以上が標高1800メートルを超える高地にある。市域内の石炭資源の推定埋蔵量は144億トンといわれ、年産出量は1000万トン以上である。四川(しせん)省南部の鉄鋼メーカー・攀鋼(はんこう)集団に大量の原料炭を供給するとともに、地元でも鉄鋼、化学などの工業が発展し、4か所の火力発電所が稼働している。貴昆線(貴陽(きよう)―昆明(こんめい))が市域を貫通し、市内14か所の鉱工業地区を結ぶ道路も整備されている。

[河野通博・編集部 2016年12月12日]

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改訂新版 世界大百科事典 「六盤水」の意味・わかりやすい解説

六盤水 (ろくばんすい)
Liù pán shuǐ

中国,貴州省西部の市。1978年六盤水地区を市としたもので,六枝,盤県,水城の3特区からなる。各中心鎮はほぼ一辺を180kmとする等辺三角形の頂点にあり,集落も広範な市域に分散している。粘結性の石炭層が分布,もとは貴州高原上の北盤江河谷や山間盆地の小村にすぎなかったが,1950年代初期から開発され,西南地区最大のコークス基地,大型の鉄鋼,セメント工場などをもつ新興工業都市となった。
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世界大百科事典(旧版)内の六盤水の言及

【貴州[省]】より

…貴陽は貴州の政治経済の中心で冶金・化学工業などが,都勻,遵義などには軽工業が発達している。また,1978年成立した炭鉱・鉄鋼都市六盤水のような新興都市もある。遵義地区仁懐県茅台鎮の茅台(マオタイ)酒は有名である。…

※「六盤水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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