共同配送(読み)きょうどうはいそう

改訂新版 世界大百科事典 「共同配送」の意味・わかりやすい解説

共同配送 (きょうどうはいそう)

荷主輸送業者が互いに共同しながら集貨配達をすることを共同配送という。異なった荷主が共同して特定の輸送業者を利用する共同配送(荷主共同配送)と複数の輸送業者が互いに利用しあう共同配送(輸送業者間共同配送)の2種類に分けられる。少量の貨物をばらばらに配送すれば,輸送費がかさんで配送効率が低下するばかりでなく,道路交通の混雑が増大する。そのため,荷主や輸送業者にとって輸送効率を上げる一方,道路交通の混雑を避けるため,共同配送の必要性が提唱されるようになった。特に大都市における面的輸送の効率化を目的とするものである。たとえばデパートから一軒一軒の家庭に配達されるデパート配送において,複数のデパートの宅配貨物を共同して配送することによって配送回数を節約することができる。同様なことは過疎地における郵便小包と宅配貨物の場合も不可能ではない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「共同配送」の意味・わかりやすい解説

共同配送
きょうどうはいそう

複数の企業が配送業務を共同で行うこと。百貨店など小売店にとって配送業務は顧客との接点であり,顧客サービスの差別化のためにも共同化は考えにくく,独自の配送を行なっていた。しかし,交通渋滞大気汚染の緩和策,流通経費の節減,駐車関連法の厳格化,人手不足などの問題から,共同配送を取入れる動きが広がっている。大阪の百貨店では5社が地域を分担することで協力している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android