共和(読み)キョウワ(英語表記)Gòng hé

デジタル大辞泉 「共和」の意味・読み・例文・類語

きょう‐わ【共和】

[名](スル)二人以上の人が共同し和合して事に当たること。
「君民―して」〈金子堅太郎訳・政治論略〉

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精選版 日本国語大辞典 「共和」の意味・読み・例文・類語

きょう‐わ【共和】

〘名〙
① (━する) 二人以上の者が共同して仲よく事業政務などを行なうこと。
※彼日氏教授論(1876)〈ファン=カステール訳〉「且つ其共和同遊する群児快楽を」 〔史記‐斉太公世家〕
文明論概略(1875)〈福沢諭吉〉一「政府体裁は立君にても共和にても其名を問はずして其実を取る可し」

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改訂新版 世界大百科事典 「共和」の意味・わかりやすい解説

共和 (きょうわ)
Gòng hé

中国の最初の紀年。《史記》周本紀によれば西周の後期,周の厲(れい)王が山川の利を王室の専有とし,また言論に弾圧を加えたりしたことから人々の不満がつのり,蜂起した国人(こくじん)(貴族の一部と都市市民)によって王は国都の宗周を追われた。その後の空位の14年間に,宰相の召公と周公とが共同して政治にあたった。この時期を共和という。共和元年は前841年にあたる。ただ《古本竹書紀年》などは,〈共〉国の伯爵の〈和〉という人物が,諸侯たちの奉戴を受け天子のつとめを代行したのだという。《史記》十二諸侯年表に見えるように,この共和の時期から,中国の歴史は正確な紀年をもつ時代に入る。
執筆者: ところでrepublic(共和制)の訳語に,〈共和〉をあてたのは,幕末において知識人の世界知識の蒙を啓(ひら)くのに大きな役割を果たした箕作(みつくり)省吾の《坤輿図識》(1845)が最初である。彼はこの語の訳に苦しみ,大槻磐渓に問うたところ,上述のごとき古事にちなみ,〈共和政治〉がよろしかろうと教えられた。しかし〈共和〉がすぐに定着したのではなく,この前後には〈共治国〉(渡辺崋山西洋事情御答書》1839),〈合衆議定〉(杉田玄瑞《地学正宗》1851),〈万民共治〉(加藤弘之《立憲政体略》1868)など多様な訳語が用いられていた。〈共和〉の用例がふえるのは1860年に入ってからで,福沢諭吉のベストセラー《西洋事情》(1866)あたりで,ほぼ定着したといえよう。
執筆者:

共和[町] (きょうわ)

北海道南西部,後志(しりべし)支庁岩内(いわない)郡の町。人口6428(2010)。1955年前田,小沢,発足(はつたり)の3村が合体して共和村となり,71年町制。町域は西の一部が日本海に面し,岩内平野の主要部,後志山地の南西斜面,ニセコ火山群の北斜面を含んでいる。1857年(安政4)幕府は官費をもって開拓試験地(御手作場(おてさくば))を発足などに設けた。83年には旧金沢藩主前田家の興した起業社による入植が前田に行われ,以後集団移住により開拓が進んだ。90年からは国富鉱山による粗銅製錬が始まった。農業が主産業で,北海道としては水稲収量の安定度が高く,良質米産地に数えられる。スイカメロンなどの農産品も出荷され,ワイスホルンのスキー場,景勝地神仙沼がある。JR函館本線が通る。
執筆者:

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普及版 字通 「共和」の読み・字形・画数・意味

【共和】きようわ

協議による政治。その体制。〔史記、周紀〕(れい)王、(てい)に出す。~召二相を行ふ。號して共和と曰ふ。

字通「共」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「共和」の意味・わかりやすい解説

共和
きょうわ / コンホー

中国、青海(せいかい)省東部の県。県政府はチャブチャ鎮にあり、海南(かいなん)チベット族自治州の政府所在地でもある。常住人口12万2966(2010)。青蔵自動車道(西寧(せいねい)―ラサ)、青康自動車道(西寧―康定(こうてい))が通る。青海湖の南、日月山(じつげつさん)西方の牧畜区の中心で、食肉加工、皮革、羊毛加工工場などがあり、畜産品の製造、交易が盛んである。水力発電、風力発電が県の重要な産業となっている。

[駒井正一・編集部 2017年4月18日]

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「共和」の解説

共和

正式社名「株式会社共和」。英文社名「KYOWA LIMITED」。ゴム製品製造業。大正12年(1923)前身の「共和護謨合資会社」設立。昭和6年(1931)「共和護謨工業株式会社」設立。同48年(1973)現在の社名に変更。本社は大阪市西成区橘。包装資材メーカー。輪ゴム「オーバンド」や粘着テープ「パイロン」を製造。医療・スポーツ用テープも手がける。

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