共生・共棲(読み)きょうせい

精選版 日本国語大辞典 「共生・共棲」の意味・読み・例文・類語

きょう‐せい【共生・共棲】

〘名〙
① 異種類の生物が同じ所にすみ、互いに行動的あるいは生理的に密接な結びつきを保ち、互いに利害を共にしている生活様式。双方が利益を得ている場合の相利共生と、一方が利益を受け他方は受けない片利共生とに分けられる。前者にはアリとアリマキヤドカリイソギンチャク、マメ科植物と根粒バクテリアなどがあり、後者にはナマコカクレウオなどがある。
※欧米曼陀羅雑記へへののもへじ(1928)〈石川光春〉三〇「水族館に行ったら例のイソギンチャクとヤドカリの共生の実物が沢山あった」
② 同じ所にいっしょに住むこと。生活を共にすること。同棲(どうせい)
※自然と人生(1900)〈徳富蘆花〉自然に対する五分時「融然として相容れ、怡然(いぜん)として共棲(キャウセイ)す」
③ (比喩的に) 二つ以上のものがいっしょに存在すること。共存
丸善三越(1920)〈寺田寅彦〉「どうして此の洋品部が丸善に寄生或は共生して居るかといふ疑問を出した時に」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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