兼康(読み)かねやす

精選版 日本国語大辞典 「兼康」の意味・読み・例文・類語

かねやす【兼康】

江戸時代江戸本郷にあって歯磨き粉歯痛の薬を売った店。
[補注]「御府内備考‐三三」に「本郷三丁目〈略〉町内東側北木戸際同所四丁目両町境横町を里俗兼康横町と相唱申候」とあり、「本郷も兼康までは江戸の内」などともいわれた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「兼康」の解説

兼康 かねやす

?-? 鎌倉時代画家
京都栂尾(とがのお)高山寺に絵手本1巻をのこす。建永2年(1207)最勝四天王院に尊智らとともに障子名所絵をえがいた。

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世界大百科事典(旧版)内の兼康の言及

【歯磨売】より

…歯磨売にはこうした振売だけでなく,床見世もあってネズミの曲芸などで人集めをして売ったほか,入れ歯も扱っていたらしい。〈本郷も兼康(かねやす)までは江戸の内〉といわれた兼康は,江戸本郷にあって,〈乳香散〉という歯磨きを売ったことで知られる。 江戸時代には,歯磨粉の原料として房州の砂が有名であり,《中陵漫録》には〈歯磨の沙(すな)ハ,房州より出る故に房州沙と云ふ,この沙水飛(すいひ)して竜脳丁子を加へ,諸国各々其の土地より白沙を製して売る,薩州にて山下の白沙を売る,備中にてハ山中の白石を粉して製す,何れも房州の沙におよばず,又米糠(もみぬか)を焼きて用ふべし,若葉の葉を焼きて焼きて粉して用ふる,竜脳,丁子,白檀にて香気を付ける,余諸国に於て用ひ試む,東都のごときハなし〉とある。…

【本郷】より

…肴店には1725年(享保10)日本橋の有名な呉服商伊豆蔵屋(いずくらや)吉右衛門が支店を開いて人気を集めたため,肴店は伊豆蔵横町とも呼ばれた。同じころ,3丁目には口中医師の兼康(かねやす)祐悦が薬種・小間物屋を開き,乳香散という歯磨粉を売り出したため,兼康横町という町名が生じた。このほか4丁目にも36年(元文1)笹屋という薬種屋が進出して光明膏という目薬を売り広め,これまた繁盛した。…

※「兼康」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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