家庭医学館 「内反肘/外反肘」の解説
ないはんちゅうがいはんちゅう【内反肘/外反肘 Cubitus Varus(Deformity)/ Cubitus Valgus(Deformity)】
手のひらを上に向けて肘(ひじ)を伸ばしたとき、肘より手のひらがやや外にあるのが正常です(図「正常な肘」)。
これを生理的外反肘といいますが、正常な位置を越えて、さらに外側に手のひらがくる場合を、外反肘と呼んでいます(図「外反肘」)。
逆に、肘よりも手のひらが内側にくるものは内反肘といいます(図「内反肘」)。
どちらも、多くの場合、子どものころの骨折が原因となり、うまく整復されなかったことによるものと考えられます。
[治療]
ほとんどの場合、外見が問題となるだけで、日常生活のうえでの機能が問題となることは、あまりありません。
しかし、まれに、肘の変形が原因となって、手のしびれがおこることがあります。このような症状が現われた場合には、手術が必要になることもあります。
このしびれは、肘の変形によって、肘を通る神経(おもに尺骨神経(しゃっこつしんけい))が圧迫されておこるもので、遅発性尺骨神経(ちはつせいしゃっこつしんけい)まひと呼ばれます。
この場合には、神経の圧迫を取り除くため、神経を剥離(はくり)したり、骨の一部を削ったりする手術が必要になることがあります。