内鼻孔魚類(読み)ないびこうぎょるい(英語表記)choanichthyes

日本大百科全書(ニッポニカ) 「内鼻孔魚類」の意味・わかりやすい解説

内鼻孔魚類
ないびこうぎょるい
choanichthyes

魚類のなかで、内鼻孔口腔(こうこう)または咽頭(いんとう)に開く種類に与えられていた一群の名称であるが、現在はほとんど使われていない。現在の肉鰭類(にくきるい)に相当する。これらの魚類は古生代から中生代にかけて陸上に進出しようとしたグループで、うきぶくろが肺に変化し、空気を呼吸することと関連して内鼻孔をもつようになった。また、胸びれ腹びれ葉状の原鰭(げんき)となり、これで歩行できることなど、古生代の魚類の特徴を現在も保持していることで魚類学上貴重な存在である。現生の肉鰭類(内鼻孔魚類)は肺魚類シーラカンスなど種類が少なく、分布域も局限されている。

落合 明・尼岡邦夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android