円光寺版(読み)えんこうじばん

精選版 日本国語大辞典 「円光寺版」の意味・読み・例文・類語

えんこうじ‐ばん ヱンクヮウジ‥【円光寺版】

〘名〙 慶長年間(一五九六‐一六一五徳川家康山城国京都府伏見に建立した円光寺で、家康寄贈の木活字により、閑室和尚が刊行した「孔子家語」「武経七書」「貞観政要」「吾妻鏡」等の書籍伏見版

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の円光寺版の言及

【円光寺】より

…これが当寺の開創で,好学の家康は木活字10万を寄せ,元佶は和漢の典籍の出版にあたった。これを慶長活字本,伏見版,円光寺版といい,当寺は日本の出版史上で特筆すべき役割を果たした。のち寺は現在の地に移り,現在は尼寺である。…

【閑室元佶】より

…家康は畿内を制すると,元佶のため伏見に円光寺を建て,儒仏の典籍や活字を寄せて古書の出版に当たらせた。これが世にいう円光寺版(伏見版)であって,元佶が近世文教の復興に果たした役割は大きい。その後も元佶は家康に重用され,金地院崇伝とともに,幕府の寺社行政,外交文書の作成,海外渡航朱印のことなどをつかさどり,初期幕政の枢機に列した。…

【伏見版】より

…足利学校第9代庠主(しようしゆ)(校長)であった元佶は,家康の信任が厚く,家康から拝領した木活字で1599年(慶長4),《孔子家語》《六韜(りくとう)》《三略》を京都伏見において開版した。家康は1601年,伏見指月(しげつ)に円光寺を建て,元佶を住まわせて畿内の学校とし,和漢の典籍の開版を続けさせたので,円光寺版ともいう。円光寺由緒書によれば拝領した木活字は10万本とされる。…

※「円光寺版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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