再生(生物)(読み)さいせい

百科事典マイペディア 「再生(生物)」の意味・わかりやすい解説

再生(生物)【さいせい】

生物体において,失われた体の一部が再度生成される現象。表皮や消化管の粘膜上皮血球,あるいは換羽換毛のように日常的に細胞・組織が置き換わる生理的再生と,外的原因による喪失・損傷時の復旧的(外傷性)再生とに大別される。後者の能力は無性生殖能と強い相関をもち,一般に下等な動物ほど高く,同一種では若い個体ほど著しい。アメーバプラナリアなどは体の断片から個体全体を再生できるが,脊椎動物ではその能力は失われ,最も再生能力の強い両生類でも,再生できるのは四肢,尾,眼のレンズなどに限られる。鳥類哺乳(ほにゅう)類では器官の再生は見られないが,筋肉と神経を除くほぼすべての組織は多少とも再生能力をもつ。典型的な場合では傷面に未分化細胞が集結,増殖して再生芽をつくり,これが分化して再生体へと発達する。またミミズカニ,トカゲ等自切を行う動物にはすみやかな再生能力を備えるものが多い。
→関連項目ロイブ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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