再発(読み)さいほつ

精選版 日本国語大辞典 「再発」の意味・読み・例文・類語

さい‐ほつ【再発】

〘名〙 (「ほつ」は「発」の慣用音) =さいはつ(再発)
源平盛衰記(14C前)二二「我が老々として、所労の折節再発(サイホツ)せり
行人(1912‐13)〈夏目漱石〉帰ってから「例の嫂事件を再発(サイホツ)させては大変だと考へた」

さい‐はつ【再発】

〘名〙 いったんおさまっていた病気気持、事件などが再びおこること。再び発生すること。古くは「さいほつ」といった。
※街道記‐久慈街道(1956)〈井伏鱒二〉「痔の痼疾のある者はたいてい再発するさうだ」

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デジタル大辞泉 「再発」の意味・読み・例文・類語

さい‐はつ【再発】

[名](スル)
おさまっていた病気がもう一度起こること。さいほつ。「再発のおそれのある病気」「がん再発する」
同じような事態がまた発生すること。さいほつ。「事故再発を防止する」「事件が再発するのを恐れる」
《「再発売盤」の略》前に発売したレコードCDなどを、同じ原盤を用いて再び発売すること。
[類語]再燃ぶり返す蒸し返す寝た子を起こす

さい‐ほつ【再発】

[名](スル)さいはつ(再発)」に同じ。
「例のあによめ事件を―させては大変だと考えた」〈漱石行人

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「再発」の意味・わかりやすい解説

再発
さいはつ

がんの治療後に、手術で切除しきれなかった腫瘍(しゅよう)が残って大きくなったり別の場所転移してみつかること。肉眼では確認できない小さな腫瘍の遺残が増殖したり、薬物療法や放射線療法で一度縮小した腫瘍が大きくなったりした場合や(局所性の再発)、原発巣(はじめに発生した部位)とは別の部位に転移したものがみつかる場合(遠隔転移)をいう。

 血液やリンパのがん(白血病悪性リンパ腫など)の場合、がん細胞が一定割合以下になることを「寛解」(一般的な治癒)といい、寛解後にふたたびがん細胞が一定割合以上になることは、再発ではなく「再燃」とよばれることが多い。また、前立腺(せん)がんの場合にも「再燃」とよばれることがある。

[渡邊清高 2017年11月17日]

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PET検査用語集 「再発」の解説

再発

一度治療などにより改善されたがんが、再び起こること。再び同じ部位にがんが再発する「局所再発」と、最初にがんができた場所とは違う場所に転移する「遠隔再発」があります。遠隔再発は局所再発に比べて、改善しにくいといわれています。

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普及版 字通 「再発」の読み・字形・画数・意味

【再発】さいはつ

また起こる。

字通「再」の項目を見る

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