凹・窪(読み)くぼい

精選版 日本国語大辞典 「凹・窪」の意味・読み・例文・類語

くぼ‐・い【凹・窪】

〘形口〙 くぼ・し 〘形ク〙
周囲が高く、中央が低い。へこんでいる。落ち込んでいる。
平家(13C前)八「田舎合子のきはめて大に、くぼかりけるに、飯うづだかくよそひ」
身分がひくい。いやしい。程度がひくい。〔日葡辞書(1603‐04)〕
浄瑠璃いろは蔵三組盃(1773)八「ハイ御推量の通り、くぼい商売を致します」
くぼ‐げ
〘形動〙
くぼ‐さ
〘名〙

くぼ・む【凹・窪】

[1] 〘自マ五(四)〙
① 中央の部分が落ち込む。へこむ。くぼまる。
霊異記(810‐824)下「是に海に沈み、水汚(クホ)みて溺れず〈真福寺本訓釈 汚 クホミテ〉」
② 埋もれる。しずむ。零落する。
※新撰六帖(1244頃)二「我君のあまねき御代の道つくりくぼめる身をも哀とはみよ〈藤原信実〉」
[2] 〘他マ下二〙 ⇒くぼめる(凹)

くぼ【凹・窪】

〘名〙
① 周囲が高く中央が低くなっている所。くぼんだ所。くぼみ。
※霊異記(810‐824)中「摂津の国の東生の郡撫凹(クホ)の村に〈国会図書館本訓釈 凹 クホ〉」
女性性器女陰
※催馬楽(7C後‐8C)陰の名「久保(クボ)の名をば何とかいふ」

くぼま・る【凹・窪】

〘自ラ五(四)〙
① 周囲が高くて中央が低くなる。へこんだ形になる。くぼくなる。くぼむ。
土左(935頃)承平五年二月一六日「池めいてくぼまり、みづつけるところあり」
② うずくまる。しゃがみこむ。
※書陵部本宇治拾遺(1221頃)二「此隣なるめのわらはのくぼまりゐて侍を」

くぼみ【凹・窪】

〘名〙 (動詞「くぼむ(凹)」の連用形名詞化) 中央が低く落ち込むこと。また、その場所。へこみ。
太平記(14C後)二六「膚窳(クボミ)無くして、磨くに光冷々たり」

くぼ・める【凹・窪】

〘他マ下一〙 くぼ・む 〘他マ下二〙 中を低くする。へこませる。くぼんだような状態にする。
※宇津保(970‐999頃)蔵開中「黒方を大いなる土器のやうにつくりくぼめて、おほひたり」

くぼ‐・し【凹・窪】

〘形ク〙 ⇒くぼい(凹)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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