出づ(読み)イズ

デジタル大辞泉 「出づ」の意味・読み・例文・類語

い・ず〔いづ〕【出づ】

[動ダ下二]
ある場所から外の方へ移る。そこから離れる。出発する。
「住むたちより―・でて船に乗るべき所へ渡る」〈土佐
人目につく所に現れる。
「自らが家をこぼちていちに―・でて売る」〈方丈記
日や月など、いままで視界から隠れていたものが現れる。
「暁かけて月―・づる頃なれば」〈須磨
新たに現れる。生まれる。生じる。
「かかる人も世に―・でおはするものなりけり」〈桐壺
俗世間・迷いなどから逃れる。
「山ふかく心はかねておくりてき身こそ憂き世を―・でやらねども」〈山家集・下〉
(「…に出づ」の形で)あることに起因する。由来する。もとづく。
「アルレゴリイと勧懲主眼の小説との差別けじめを知らぬに―・でたることにて」〈逍遥小説神髄
動詞の連用形に付いて、出る意を添える。
「うち添へて、もとよりの憎さも立ち―・でて」〈・桐壺〉

㋐外に現す。出す。
「言に―・でて言はばゆゆしみ」〈・四〇〇八〉
㋑動詞の連用形に付いて、出す意を添える。
「さが尻をかき―・でて」〈竹取
[補説]基本的には「でる」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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