出機(読み)でばた

精選版 日本国語大辞典 「出機」の意味・読み・例文・類語

で‐ばた【出機】

〘名〙 織物業者が原料を出して、一般家庭の子女などにその家で、織物を織らせること。また、大工場が中小工場に織らせることをいう場合もある。

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デジタル大辞泉 「出機」の意味・読み・例文・類語

で‐ばた【出機】

織物業者が原料を出して、下職などに織らせること。

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普及版 字通 「出機」の読み・字形・画数・意味

【出機】しゆつき

機は天機。自然の霊妙な作用をいう。〔荘子至楽物皆より出でて、皆に入る。

字通「出」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「出機」の意味・わかりやすい解説

出機
でばた

織物の生産は、自給生産から、増大する一般の需要にこたえ、数人の人を雇用する家内工業へと発展するが、それでも生産に不足を生じるとき、外部製織を依頼することになる。これを「出機」とよび、原料の糸を整経(せいけい)した状態で提供し、製織したのち集荷し、その製織上の手間賃を支払うことになる。この形態農村工業の一つとして行われ、農家副業農閑期に製織されることになる。これに対し家内工業として自己の経営のもとで行われるのが「内機(うちばた)」である。これらの作業形態がどのようになっていたかについては織物史における織物経営の課題となっている。

[角山幸洋]

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