出雲民芸紙(読み)いずもみんげいし

事典 日本の地域ブランド・名産品 「出雲民芸紙」の解説

出雲民芸紙[紙工芸・和紙]
いずもみんげいし

中国地方、島根県の地域ブランド。
松江市で製作されている。出雲地方は古くから紙を産出した土地である。江戸時代には松江藩祖・松平直正が郷里越前から紙漉き職人を招いて製紙業を発展させた。松江市八雲町(旧・八束郡八雲村)で江戸時代に漉かれていた紙が再現され出雲民芸紙と呼ばれるようになったのは、のちに人間国宝となった故・安部榮四郎が柳宗悦に出会った1931(昭和6)年頃のこと。最大の特徴は、楮・三椏雁皮などの原料の持ち味を生かす和紙づくりそのものである。島根県ふるさと伝統工芸品。

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デジタル大辞泉プラス 「出雲民芸紙」の解説

出雲民芸紙

島根県松江市八雲町で生産される和紙。原料はガンピなど。当地での和紙製造の歴史は古く、奈良時代正倉院文書にも記述が見られる。昭和に入り衰退していたが、人間国宝の和紙作家、安部栄四郎古来製法を活かしつつ創始した和紙により、再度世に知られるものとなる。「出雲雲紙」ともいう。島根県ふるさと伝統工芸品に指定

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世界大百科事典(旧版)内の出雲民芸紙の言及

【鳥の子紙】より

…名塩の鳥の子紙は,地元の特産である卵色の尼子(天子)土を混入するなど,粉入鳥の子紙に特色があった。現在,鳥の子紙として漉かれているのは,越前紙(福井県今立町),名塩紙(兵庫県西宮市)のほか,近江鳥の子紙(滋賀県大津市),加賀鳥の子紙(石川県川北町),土佐鳥の子紙(高知県伊野町),出雲民芸紙(島根県八雲村)などがあげられる。用途は,仮名書きなどの料紙,日本画などの画材用紙などで,楮紙(こうぞがみ)に比べてきわめて狭く,今後の販路の拡大が求められる。…

※「出雲民芸紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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