出頭(読み)しゅっとう

精選版 日本国語大辞典 「出頭」の意味・読み・例文・類語

しゅっ‐とう【出頭】

〘名〙
[一] ある場所本人が自分で出ること。役所や集まりなどに出向くこと。
※実隆公記‐文明七年(1475)正月五日「今日不出頭無事」
浮世草子・国姓爺明朝太平記(1717)一「偽りかざる事を天性と得たるえせものなれば、〈略〉上にも下にも出頭(シュットウ)して、傍輩にもよく押親(おししたしみ)
[二] 他よりまさっている状態をいう。出頭一。出頭第一。
① 頭を出すこと。他にぬきんでていること。抜群。
※狂雲集(15C後)行脚「一箇出頭天外看、須彌百億草鞋埃」 〔魏志‐呂布伝・注〕
② 立身出世すること。また、その人。
※塩山和泥合水集(1386)「尊貴を帯せず出頭を存せずして或は辞し去って跡を深山にかくし」
※仮名草子・浮世物語(1665頃)一「主君の気に入りて、知行を取り、しゅっとうしける程に」
③ 要路にあって政務に当たること。主君の傍にあって、政務やさまざまな要務にあずかる役職。また、その人。
※甲陽軍鑑(17C初)品一一「叔父従弟などの出頭を笠にきて」
④ 主君から特別の寵愛を受けていること。また、その人。
※浮世草子・武家義理物語(1688)四「御寐間ちかふめされ出頭(シュットウ)時を得て。人もうらやむ仕合(しあはせ)なるに」

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デジタル大辞泉 「出頭」の意味・読み・例文・類語

しゅっ‐とう【出頭】

[名](スル)
本人がその場所、特に役所・警察などに出向くこと。「裁判所出頭する」
他よりぬきんでること。特に、寵愛を受けて立身出世すること。また、その人。
「主君の気に入りて、知行をとり―しけるほどに」〈仮・浮世物語・一〉
政務の要職にあること。また、その人。
鎌倉殿の―を鼻にかけ」〈浄・盛衰記
[類語]出席列席臨席顔出し参列参会出場臨場親臨出御列座同席陪席相席同座お出まし加入加盟仲間入り参加参入参画参与入会飛び入り飛び込み出る加わる名を連ねる列する連なる末席を汚す

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