函南町(読み)かんなみちよう

日本歴史地名大系 「函南町」の解説

函南町
かんなみちよう

面積:六五・〇九平方キロ

静岡県東部、伊豆半島の付根に位置する。東は熱海市、神奈川県足柄下あしがらしも箱根はこね町・湯河原ゆがわら町と境を接し、北は三島市、西は沼津市、南は韮山にらやま町・伊豆長岡いずながおか町と接している。東と北は箱根連山を控え、同山南西麓から流出する狩野かの川の支流柿沢かきさわ川・来光らいこう川流域、その支流域に集落が点在する。西は狩野川が北流して沖積地を形成し、田方平野の中心地となっている。市街地の北を東西にJR東海道本線が通り函南駅がある。同駅から東方熱海市の来宮きのみや駅近くまでは丹那トンネルが東海道本線新丹那トンネルと並走する。西端近くを伊豆箱根鉄道が通る。当町の遺跡で注目されるのは柏谷かしや百穴ひやつけつとよばれる横穴群である。昭和四八年(一九七三)の実測調査などで一〇六基が確認された。しかしすでに失われたものを考慮すれば二〇〇基以上は存在したと考えられている。その一部が国指定史跡となった。横穴の一つからいくつかの焼けた亀甲が発見され、おそらくかつての亀卜にかかわる集団の墓だろうとされている。伊豆半島には「延喜式」神名帳記載の神社(式内社)が多いが、当時の神官のなかに伊豆出身者が多かったことと関係するという見解もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「函南町」の意味・わかりやすい解説

函南〔町〕
かんなみ

静岡県東部,箱根山南西麓にある町。 1963年町制。西部は狩野川およびその支流の来光川,柿沢川に沿う低地。東部は箱根,多賀火山の西斜面から成っている。低地では米作,施設園芸,山麓地域では畑作,丹那や田代の断層盆地では明治時代から酪農が行われている。柏谷横穴群 (史跡) ,丹那断層 (天然記念物) ,畑毛温泉や富士箱根ランドなどの別荘地,ゴルフ場などがあり,町域の一部は富士箱根伊豆国立公園に属する。 JR東海道本線,伊豆箱根鉄道,国道 136号線が通る。面積 65.16km2。人口 3万6794(2020)。

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