分冊百科(読み)ブンサツヒャッカ(英語表記)partwork encyclopedia

デジタル大辞泉 「分冊百科」の意味・読み・例文・類語

ぶんさつ‐ひゃっか〔‐ヒヤククワ〕【分冊百科】

定期的に発行され、全部そろえることによってそのテーマ百科事典が完成する形式冊子パートワーク

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「分冊百科」の解説

分冊百科

パートワーク(分冊出版)ともいう。あるテーマを週刊や隔週刊の雑誌サイクルで50号、100号と予定した号数まで刊行し、全冊揃ったとき、そのテーマの事典が完成するという出版形態。週刊百科、ワンテーママガジン、ファイルマガジンなどの呼称がある。イタリアのデアゴスティーニ社が1959年、百科事典を分冊に再編集して廉価で定期刊行したのが起源。日本では日本メールオーダー社が70年に創刊した『週刊アルファ大世界百科』が最初。次いで71年創刊の朝日新聞社『ラルース週刊世界動物百科』。前者は通販ルート、後者は新聞販売店ルートとそれぞれが定期読者獲得に強い販路を活用して80年代後半まで分冊百科2社時代を続けた。90年代に大手・中堅出版社が順次参入、今世紀に入って創刊銘柄数が年20点超へと増えた。2006年の創刊銘柄数23点、既刊銘柄数を合わせて53点が流通し、その総販売金額は推定302億円。類似企画も増加。例えば07年は仏教美術ジャンルにおいて、刊行中の『週刊 古寺を巡る』(小学館)に加え、新たに『週刊 日本の仏像』(講談社)と『週刊 仏教新発見』(朝日新聞社)が創刊される競合ぶりだった。

(村上信明 出版流通ライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android