分散(光学)(読み)ぶんさん(英語表記)dispersion

翻訳|dispersion

日本大百科全書(ニッポニカ) 「分散(光学)」の意味・わかりやすい解説

分散(光学)
ぶんさん
dispersion

光学用語で入射光プリズムなどで波長(または振動数)ごとに分離する現象。光の媒質での屈折率が波長により異なることから発生する。媒質の屈折率が光の波長により異なるのは、入射光と媒質の分子相互作用のためである。媒質の物性(屈折率、誘電率透磁率弾性率など)が入射光の振動数により変化するのは、各物性値が入射光に対する応答関数と考えられるからである。このような関係を分散関係とよぶ。屈折率は可視光域では、光の波長が短くなるほど大きくなるが、この状態を正常分散とよび、逆に屈折率が小さくなる場合は異常分散とよばれる。

[山本将史 2022年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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