分離作業単位(読み)ブンリサギョウタンイ(英語表記)separative work unit

デジタル大辞泉 「分離作業単位」の意味・読み・例文・類語

ぶんり‐さぎょうたんい〔‐サゲフタンヰ〕【分離作業単位】

エスダブリューユー(SWU)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「分離作業単位」の意味・わかりやすい解説

分離作業単位 (ぶんりさぎょうたんい)
separative work unit

SWUと略称する。ウラン濃縮に関連して,濃縮工場の規模や遠心分離機1台当りの濃縮能力,あるいは委託濃縮に要する費用などを表現するときに用いられる単位。この単位をもって表される量は分離作業量と呼ばれ,次式で計算される。

ここに,FPおよびWは,それぞれ原料供給量,製品量および廃棄材量である。またxはウラン中の235Uの原子分率であり,添字のF,PおよびWは,それぞれ原料,製品および廃棄材についての値であることを示す。上式で計算される分離作業量Uの単位は,FPあるいはWと同じ(たとえばton)になるので,とくに分離作業量を表していることを明示するためにSWUを付加し,tonSWUのように表される。またkgSWUについては,単にSWUと書かれる場合も多い。

 たとえば1年間にF=4000 tonの天然ウランxF=0.0072)を原料として,xP=0.04の軽水炉用濃縮ウランをP=500 ton製造するウラン濃縮工場があれば,W=3500 ton,xW=0.025であるから,この工場はおよそ2900 tonSWU/年の規模のウラン濃縮工場である。かりに,この濃縮作業を,1台の能力が20kgSWU/年の遠心分離機で行うと,その台数は,約(290万/20)=14万5000台と推算できる。
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