切封(読み)きりふう

精選版 日本国語大辞典 「切封」の意味・読み・例文・類語

きり‐ふう【切封】

〘名〙
書状の封じ方の一つ。封紙を用いないで本紙の一部を切って封をするもの。本紙と礼紙を重ねて左から右へ巻き、本紙の右端を下から途中まで細く切って、上の方は切り残し、これを紙紐にして書状を結わえて、その上から封じ目をする。腰文(こしぶみ)。きりふうじ。
※俳諧・耳さらへ集(1831)「鯉鮒の類ならば切封の文なるべし、ひねりぶみ蠣にはよきほどの仕立なり」
② 書状の封じ目につけた封の印。多くは「〆(「封」字の草体を略したかたち)」と書く。

きり‐ふうじ【切封】

〘名〙 =きりふう(切封)
※雑俳・秋の月(1743)「呼戻し発句しなをす切り封じ」

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デジタル大辞泉 「切封」の意味・読み・例文・類語

きり‐ふう【切(り)封】

腰文こしぶみ

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世界大百科事典(旧版)内の切封の言及

【手紙】より

… 結封折りこんだ上端を結んで封印をつける。 切封折紙,切紙の袖の端(右端)3,4mmを下から切りこんで上端4,5cmを残し,その紐状の紙片にて,幅約4cmほどに折りこんだ本文を巻いて結び,封印をつける。 糊封いろいろな料紙,いろいろな形態の本紙をたたみこんだ後,その端を糊づけする。…

※「切封」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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