切通(読み)きりどおし

精選版 日本国語大辞典 「切通」の意味・読み・例文・類語

きり‐どおし ‥どほし【切通】

〘名〙 (「きりとおし」とも)
① 山や丘などを切り開いて、道路を通すこと。また、その道路。切り通し道。
太平記(14C後)一〇「其の勢惣(すべ)て十万余騎、極楽寺(ごくらくじ)の切通(キリドヲシ)へぞ向はれける」
物事をとどこおりなくさばいてゆくこと。物事にゆきわたること。
保元(1220頃か)上「政務きりとをしにして、上下善悪を糺(ただ)されければ、時の人、悪左大臣とぞ申しける」
切れ目を入れること。また、そのもの。
※催馬楽(7C後‐8C)大芹「かすめ浮けたる 支利止保之(キリトホシ) 金はめ盤木 五六がへし 一六の賽や 四三賽や」

きり‐とお・す ‥とほす【切通】

〘他サ四〙 岩などをえぐって通路をつける。また、山や丘などを切り開いて道路や水路をつくる。
古今(905‐914)恋一・四九二「吉野河いはきりとおし行水の音にはたてじこひはしぬとも〈よみ人しらず〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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