切開(読み)きりひらく

精選版 日本国語大辞典 「切開」の意味・読み・例文・類語

きり‐ひら・く【切開】

〘他カ五(四)〙
① 山、丘などを切り崩し、あるいは荒地を開墾して、田畑や道路などにする。
バレト写本(1591)「ソノ ヤマノ ウエヲ シダイ シダイ ヒロク quiri(キリ) firaquite(ヒラキテ) ヲウイエドモヲ ツクリ ツヅケ」
② 敵のかこみや戦線などをつき破り、進路を開く。
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)一「司馬将軍呉三桂敵あまた討取、なんなく一方切ひらき君を落し奉らんと」
③ 切って中を開く。切開する。
明暗(1916)〈夏目漱石〉一「根本的な手術をして、細い溝を全部腸の方へ切(キ)り開(ヒラ)いて仕舞っても癒らないんでせう」
④ (比喩的に) 困難や障害物などを取り除いて進むべき道を開く。
※それから(1909)〈夏目漱石〉一〇「或は何の方面かへ、生活行路を切(キ)り開(ヒラ)手掛りが出来たかも知れない」

せっ‐かい【切開】

〘名〙
① 切り開くこと。
治療目的で、患部皮膚組織器官などをメス、鋏(はさみ)などの外科器具を用いて切り開くこと。〔医語類聚(1872)〕
太虗集(1924)〈島木赤彦〉巻末記「大学病院盲腸炎の切開をして」

きり‐ひらき【切開】

〘名〙 切り開くこと。特に境界線通路などにするために、繁茂した草木帯状に切り開くこと。また、そのもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「切開」の意味・読み・例文・類語

せっ‐かい【切開】

[名](スル)切り開くこと。特に、治療のために医者が患部をメス、はさみなどで切り開くこと。「患部を切開する」
[類語]切る裁つ刻むちょん切るぶった切るかき切る切り刻むちぎる切り抜く刎ねる切り込む切り出す叩き切る焼き切る捩じ切る切り開く切り落とす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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