初山(読み)ハツヤマ

デジタル大辞泉 「初山」の意味・読み・例文・類語

はつ‐やま【初山】

初山入り」の略。
霊山名山にその年初めて登ること。

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精選版 日本国語大辞典 「初山」の意味・読み・例文・類語

はつ‐やま【初山】

〘名〙
説経節・さんせう太夫(与七郎正本)(1640頃)中「此国のはつ山が、正月十六日ときひてあり」
② 霊山などにその年初めて登ること。特に、神奈川県伊勢原市の大山寺に陰暦六月二八日から七月七日までに参詣する、大山参りをいう。《季・夏》
狂歌徳和歌後万載集(1785)八「くるしともいはで心に納太刀これやわけ入恋のはつ山」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「初山」の意味・わかりやすい解説

初山
はつやま

正月の山仕事始めの儀礼。山初(ぞ)め、山たて、若山ふみ、木伐(き)り始め、山ほめなど呼び名もいろいろある。正月の2日、4日、8日、11日などとその日取りも各地ごとに違うが、年初の山仕事の始めを慎み祝い、山の神に仕事運びの順調を祈念する趣旨はほぼ同じである。山の神に供え物をして仕事の安全を祈念し、初伐りした樹木を小(こ)正月行事の門飾りや燃料など特殊な用途にあてることが多い。それゆえか、初山を小正月の「若木迎え」とする所もかなりあり、大正月の「松迎え」と対置している所さえみられる。また一部の地方では「農はじめ」同様、山の神の使いのカラスをよび、餅(もち)を投げ与え、その食べ方で「年の豊凶」を占う所もあった。

[竹内利美]

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百科事典マイペディア 「初山」の意味・わかりやすい解説

初山【はつやま】

山仕事始めの儀礼。山たて,初山踏とも。日は土地により正月2・4・8・11日など。山の神まつり,山仕事の無事を祈って薪を切り出す。この薪は小正月の燃料や飾物にするなど,特定行事に用いる。この日カラスを山の神の使と見なして餅(もち)を与え,食べ方で吉凶を占うところもある。

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