判詞(読み)はんし

精選版 日本国語大辞典 「判詞」の意味・読み・例文・類語

はん‐し【判詞】

〘名〙 歌合句合などで、判者が歌や句の優劣可否を判定して述べることば。はんことば。はんのことば。
※細流抄(1525‐34)一「俊成の判詞に、源氏見ざる歌よみは遺恨のこと也」

はん‐ことば【判詞】

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デジタル大辞泉 「判詞」の意味・読み・例文・類語

はん‐の‐ことば【判詞】

はんし(判詞)

はん‐し【判詞】

歌合わせ・句合わせなどで、判者が優劣・可否を判定して述べる言葉。はんのことば。

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改訂新版 世界大百科事典 「判詞」の意味・わかりやすい解説

判詞 (はんし)

和歌漢詩俳諧の優劣を判定した詞(ことば)。とくに歌合句合において,判者が番(つが)わされた左右の歌・句についての優劣を勝・持(じ)(判定しがたい場合)とし,その判定理由を書いた詞をいうことが多い。平安初期をやや下ったころに起こり,鎌倉初期盛んとなった文学的歌合において,複数判者や衆議判,判に対する反駁としての陳状,さらに改判,再判などが行われた。俳諧もこの形式をつぎ,貞門では立圃(りゆうほ),季吟が好んだが,蕉門ではことに重視され,芭蕉は《貝おほひ》において判詞の持つ批評性を新しい俳風の創出に生かし,以後も芭蕉判《俳諧合》,衆議判《蛙合》といったぐあいに,俳風の屈折点において句合を試み,新風の主張を行った。蕉門の句合には,嵐蘭判《罌粟けし)合》,其角判《句兄弟》などがある。蕉門では概して俊成判西行自歌合《御裳濯河(みもすそかわ)歌合》の影響が強かった。蕉門外にも素堂判《とくとくの句合》,才麿判《伊丹発句合》などがあった。
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普及版 字通 「判詞」の読み・字形・画数・意味

【判詞】はんし

判決の文。

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