別録(読み)べつろく(英語表記)Bié lù

改訂新版 世界大百科事典 「別録」の意味・わかりやすい解説

別録 (べつろく)
Bié lù

中国,前漢の成帝のとき,数名の学者の協力をえて宮廷秘府蔵書校定に従事した劉向(りゆうきよう)が,ひとつの書物ごとに篇目を個条書きにし内容をつまんで作った解題。劉向の子の劉歆(りゆうきん)はそれを《七略》とよぶ図書目録にまとめた。〈輯略〉〈六芸略〉〈諸子略〉〈詩賦略〉〈兵書略〉〈術数略〉〈方技略〉から構成された《七略》は,〈輯略〉をのぞいて《漢書》芸文志に取り入れられている。
目録学
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の別録の言及

【劉向】より

…春秋学を修めたことから歴代の災異の解釈に通じ,同時代に起こった災異を外戚宦官の専権が原因と解し,それらの災異に関する解釈論が《洪範五行伝論》としてまとめられた。劉向は別に前26年より宮中の図書を校勘して分類目録《別録》をつくり,その事業は子の劉歆に引きつがれ《七略》として結実する。他に劉向の著作として《列女伝》《新序》《説苑》などが伝わる。…

※「別録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android