前橋市(読み)マエバシシ

デジタル大辞泉 「前橋市」の意味・読み・例文・類語

まえばし‐し〔まへばし‐〕【前橋市】

前橋

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「前橋市」の解説

前橋市
まえばしし

面積:一四七・三九平方キロ

県の南半部中央にあり、北に赤城山、西に榛名はるな山を望み、その間を利根川が南流し、ここから関東平野が始まる。市域西部を利根川が南流し、北方で利根川から分水する広瀬ひろせ川、広瀬川から再分水する桃木もものき川はいずれも利根川の旧流路といわれている。とくに広瀬川の流路が利根川であった期間は長かったと思われ、旧勢多せた郡と群馬郡・那波なは郡の境界線はこの川であった。北に赤城山があるため、市域の地勢はおおむね北東から南西の利根川に向かって緩傾斜し、中央部から南部にかけては標高一〇〇メートル前後の平地が開ける。利根川西岸地区は榛名山東麓の裾野にあたるが、市域内では大きな高低はない。この地を潤すのは近世初期に総社そうじや城主秋元氏が開削した天狗岩てんぐいわ用水である。気候は内陸型で、気温の年・日較差が大きい。年間降雨量も比較的少ない。冬は空っ風と俗称される北西季節風が卓越している。しかし雪は比較的少ない。夏には雷が多い。前橋の雷は西方榛名山から来るものと、南西方の西御荷鉾にしみかぼ山からのものが多い。なかでも西御荷鉾山のものは「御荷鉾の三束雨」といわれ、入道雲がわいたと思うと、麦三束を作る間にもう大粒の雨がやってくるといわれる。

〔原始〕

縄文時代の遺跡は赤城山麓地帯に集中し、中腹の標高六〇〇メートル地点で縄文早期・前期の遺跡が発掘されている。中期にはそれよりやや下り、後期には最も高い所で標高二五〇メートルほどとなる。晩期のものは一五〇メートル以上のところにはほとんど見当らず、遺跡の数も少ない。市域でこれまで記録された遺跡は中期・後期が著しく多く、前期がこれに次ぎ、早期・晩期は少ない。中期・後期に比してあまりにも晩期の遺跡が少なく、その理由の解明が待たれている。弥生時代の遺跡も数少ないが、荒口あらくち町の荒口前原あらくちまえはら遺跡は荒砥あらと川左岸にあり、出土土器数も多く、弥生式土器としては古い部類に属する。総社町の桜が丘さくらがおか遺跡からは末期に属する樽式土器が発見され、浅間山噴火による浮石層によって覆われていることが確認された。弥生式土器はこのほかに鳥羽とりば町・六供ろつく町などで発見されている。後閑ごかん町の広瀬団地付近では、樽式土器の甕棺が出土している。この甕棺は弥生式土器の最末期のものと思われ、土師器の当地方での最初の型である石田川式土器に類似する。県内で最も古い古墳である後閑町の天神山てんじんやま古墳などでは石田川式土器を後の埴輪円筒列のように配列しているので、この間をつなぐものとも考えられる。

前橋市
まえばしし

2004年12月5日:前橋市が勢多郡大胡町宮城村・粕川村を編入
【大胡町】群馬県:勢多郡
【宮城村】群馬県:勢多郡
【粕川村】群馬県:勢多郡
【前橋市】群馬県

前橋市
まえばしし

2009年5月5日:前橋市が勢多郡富士見村を編入
【富士見村】群馬県:勢多郡
【前橋市】[変更地名]群馬県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「前橋市」の意味・わかりやすい解説

前橋〔市〕
まえばし

群馬県中東部,赤城山南西麓から利根川中流域に広がる市。県庁所在地。1892年市制。1954年総社町および上川淵村,下川淵村,桂萱村,芳賀村,元総社村,東村,南橘村の 7村,1955年清里村,1967年城南村,2004年大胡町,宮城村,粕川村を編入。2009年中核市に移行し,富士見村を編入。市街地を利根川と分流の広瀬川が貫流する。古くは厩橋(うまやばし)と称し,東山道の宿場町で,江戸時代には酒井氏,のち松平氏城下町。4代大老酒井忠清が前橋と改称。1881年県庁が置かれ,以後県の行政,経済の中心地となる。江戸時代中期から養蚕,製糸業が盛んで,明治時代以降横浜港開港により輸出が伸び,活況を呈した。製糸業のほか食品加工,木工,輸送用機械,電気機械器具などの製造工場が立地。1966年首都圏整備法の都市開発区域に指定され,利根川西岸や市街地南東部に工業団地が造成。赤城山麓の農村部では米作,養蚕,酪農,畜産などが行なわれる。上野国分寺跡をはじめ,二子山古墳,八幡山古墳など多くの国指定史跡があり,岩神の飛石,横室の大カヤは国の天然記念物に指定。市内には赤城温泉,滝沢温泉,忠治温泉などが点在する。市域の一部が赤城県立公園に属する。JR上越線,両毛線,上毛電気鉄道,国道17号線,50号線,353号線が通る交通の要地。西部に関越自動車道,南部に北関東自動車道インターチェンジがある。面積 311.59km2。人口 33万2149(2020)。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android