前立（読み）マエダテ

デジタル大辞泉

まえ‐だて〔まへ‐〕【前立】

１ 「前立物」の略。
２ 「まえだち2」に同じ。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

まえ‐だち まへ‥【前立】

〘名〙

① 前に立つもの。特に本尊仏を守護するものの姿としてその前に立っている像。

※本朝俗諺志（1746）五「此神かしまに鎮座有ゆへに云也。前立の社といふは此神なるべし」

② 名義上、表面に立てておく人。まえだて。

※歌舞伎・助六廓夜桜（1779）「ころも愚かや揚巻の前立ち」

③ 馬などが前足をあげて立つこと。

※不在地主（1929）〈小林多喜二〉八「たまに牡馬が通ると、いななきながら前立ちになり」

まえ‐だて まへ‥【前立】

〘名〙

① 「まえだてもの（前立物）」の略。

※甲陽軍鑑（１７Ｃ初）品二八「かぶとの前立は、其備ごとにて見しり」

② 旧日本軍隊で、明治時代に尉官以上の者が正帽の正面に付けた羽飾り。

③ ＝まえだち（前立）②

出典　精選版 日本国語大辞典