前途(読み)ぜんと

精選版 日本国語大辞典 「前途」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐と【前途】

〘名〙 (古くは「せんと」「せんど」)
① 行くさき。ゆくて。また、目的地までの道のり。これから先の行路先途。前程。
菅家文草(900頃)五・夏日餞渤海大使帰「初喜明王徳不一レ孤、奈何再別望前途
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)旅立「前途三千里のおもひ胸にふさがりて」 〔魏書‐叔孫建伝〕
将来。これからのなりゆき。さきゆき。前程。
雑談集(1305)一〇「我もし前途(セント)むなしからずして、寺務するほどに、なりたらむ時は」
③ たどってきた道すじ。過ぎてきた行路。
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「此邑頗る繁庶に、駅舎の雑沓なる、前途の比にあらず」
[語誌]→「せんど(先途)」の語誌

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デジタル大辞泉 「前途」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐と【前途】

行く先。また、そこから目的地までの道のり。「前途はほど遠い」「途中下車前途は無効になる乗車券
将来。「会社の前途を占う」「前途を誤る」「前途ある若者」「前途有望」
[類語]未来今後将来行く末末末向後自今来たる近未来目先行く先行く手行く行く行方先行き先先生い先あとのちあとあとのちのち後年他年この後これから向こう

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普及版 字通 「前途」の読み・字形・画数・意味

【前途】ぜんと

ゆくて。

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