割合(読み)わりあい

精選版 日本国語大辞典 「割合」の意味・読み・例文・類語

わり‐あい ‥あひ【割合】

[1] 〘名〙
① 分割してそれぞれの負担分としてあてがうこと。また、そのもの。割当て。割り前。また、割り勘。
※政談(1727頃)四「一組の内より外の人を代に出し、其本人より割合を遣す故」
② (━する) 分割・配分すること。
地方凡例録(1794)一〇「前々より村中入会に致し来り山林・秣場等を、相対を以て分もち切に割合申まじき事」
芝居で、一枡をその許容人数の頭割りにした値を支払って、他人と同席して見物すること。
※談義本・八景聞取法問(1754)二「隣桟敷には拾人ばかりの割合と見えて」
④ その人にとって得となること。
※歌舞伎・月宴升毬栗(散切お富)(1872)二幕「爰らで手を打ちお武家さま、お帰りなさるがお割合かと、憚りながら存じまする」
⑤ (━する) 全体に対して部分が、また、ある物に対して他のある物が、ある量的関係にあること。また、その関係。比率歩合。割。
※万国新話(1868)〈柳河春三編〉一「小学校の稽古人、民口に合せて千人に五十人の割合なりしが」
数学で、比または比率のこと。
⑦ (連体修飾語をうけ、「に」を伴って) 連体修飾語の内容と比べて、後に述べる内容がつりあわない場合に用いる。…に比べて。…にしては。
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉四「おれは勇気のある割合に智慧が足りない」
[2] 〘副〙 (多く「に」「と」を伴って用いる) 比較的な観点から見て。他のものとのつりあいから見て。また、そのもの相応と思われる程度を超えて。比較的。思いのほか。
※交易問答(1869)〈加藤弘之〉上「はけかたの方が滅法多くて、仕出の方がまだ割合にすくないから」
二つの話(1946)〈井伏鱒二〉「燧石(ひうちいし)の扱ひかたを割合ひ親切に教へてくれた」

わり‐あわ・せる ‥あはせる【割合】

〘他サ下一〙 わりあは・す 〘他サ下二〙
二種以上の物をつないだりまとめたりして、一つの物を作りあげる。別種の皮をつぎ合わせたり、二種の羽で矢を矧(は)いだりする際にいう。
平家(13C前)一一「しらのに鶴のもとじろ、こうの羽をわりあはせてはいだる矢」
② 割り当てる。配分する。〔和英語林集成初版)(1867)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「割合」の意味・読み・例文・類語

わり‐あい〔‐あひ〕【割合】

[名]
全体に対する部分の、または他の数量に対するある数量の比率。率。割。「男子学生と女子学生割合が逆転する」「空気の主要成分の割合を求める」
(「…のわりあいに」の形で)「5」に同じ。「大きさの割合に重い」「冬の割合には暖かい」
それぞれに分けて割り当てること。割り前。割り勘。
「そりゃけうとい安いもんぢゃ。―にいたさうかいな」〈滑・膝栗毛・七〉
[副]他の物事や場合に比べてそれらの程度を超えているさま。比較的。割に。「部屋は割合にきれいだ」「割合(と)やさしい問題」
[類語](1比率りつわり歩合倍率定率同率低率高率レートパーセンテージ/(割に割と割り方割りかし比較的なかなかかなり相当大幅随分大分だいぶ・だいぶん大層すこぶいやにやけにえらい馬鹿ばか余程余っ程結構案外存外思いのほかまあまあまあまずまずどうにかこうにかどうかこうかどうやらこうやら曲がりなりにもかすかすどうやらなんとかかんとかなんとかようやっとどうにかそこそこかろうじて辛くもそれなりやっとやっとこさようやくあやうく危なく増し次善セカンドベストベター及第無難ほどほど捨てたものではない満更まんざらでもないまだしもまだえんやらやっとやっとのことでようようすんでのところ間一髪かつがつすんでのことすんでにあわや九死に一生を得るすれすれよっぽどいまだしいま不徹底不十分及ばずながら不全不完全どうなりこうなり一応急場しのぎ当座しのぎ一時しのぎその場しのぎ

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