劉白羽(読み)りゅうはくう(英語表記)Liu Bai-yu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「劉白羽」の意味・わかりやすい解説

劉白羽
りゅうはくう
Liu Bai-yu

[生]1916.9.2. 北京
[没]2005.8.24. 北京
中国の作家。抗日戦争前から小説を発表していたが,戦争中は解放区にあって工作従事。その豊富な体験をもとに,揚子江渡河作戦を描いた『光は前方に』 (1959) など優れた抗戦文学を書いた。 1950年ソビエト連邦を訪問,また映画『中国人民の勝利』の制作に参加してスターリン賞を受賞。文化大革命で批判され労働改造を受けたが,1975年6月以後解放されて執筆を再開した。中国作家協会副主席,人民解放軍文化部長などを務めた。 1991年『二つ目の太陽』で茅盾文学賞受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「劉白羽」の意味・わかりやすい解説

劉白羽
りゅうはくう / リウパイユイ
(1916―2005)

中国の作家。北京(ペキン)の人。抗日戦中、延安の解放区に入り、続く内戦期にかけて人民解放軍の文化工作員、従軍記者として転戦。小説も『光明は前に』(1949)以下部隊ものが名高く、ほかに歴史的な北京入城を含む解放戦争の記録集『祖国のために戦う』(1953)をはじめ、解放後の訪ソ、朝鮮戦争従軍などのルポルタージュが多い。中国作家協会の副主席と党グループ書記を兼ね、それだけに文化大革命で受けた攻撃も激しかったが、文革後、作家協会副主席など多くの要職に復帰した。82年中国ペンクラブ副会長。

[木山英雄]

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