功力(読み)こうりょく

精選版 日本国語大辞典 「功力」の意味・読み・例文・類語

こう‐りょく【功力】

〘名〙
① ききめ。効力。効験。
※授業編(1783)四「いかにも功力(コウリョク)完き上のことなるべけれども」 〔商子‐錯法〕
効果のある手段を尽くすこと。努力労力
続日本紀‐養老六年(723)閏四月乙丑「如部内百姓、荒野閑地、能加功力、収獲雑穀三千石已上、賜勲六
③ てがら。いさお。
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一「自己賢能、功力(〈注〉テガラ)に由て」 〔漢書‐鼂錯伝〕

こう‐りき【功力】

〘名〙
① 公的な援助労働力
※吉川半七氏旧蔵文書‐建久六年(1195)一二月四日・太政官符「永万元年保号以後、殊入功力発荒野、進済四箇所納物
功徳の力。努力や修行によって得られた力。くりき。
評判記色道大鏡(1678)五「漸(やうやく)功力(コウリキ)ととのふりて又数篇(すへん)の品を越え、粋内にのぼる事又はるかなり」

く‐りき【功力】

〘名〙 (「く」は「功」の呉音) 仏語。修行によって得た力。功徳の力。効験(くげん)
江談抄(1111頃)三「以千部功力善男其妨」 〔合部金光明経‐三〕

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デジタル大辞泉 「功力」の意味・読み・例文・類語

く‐りき【功力】

仏語。修行によって得た不思議な力。功徳の力。効験こうけん

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普及版 字通 「功力」の読み・字形・画数・意味

【功力】こうりよく

てがら。〔史記、留侯世家論賛〕高、困に離(あ)ふ(こと)數(しばしば)あり。而して留侯常に功力り。豈に天に非ずと謂ふべけんや。

字通「功」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の功力の言及

【開発】より

…10世紀以降の王朝国家期になると,中央政府より国内の支配を委託された国司は,基準国図に登録された公田に対して〈勧農〉を行い,公田の〈満作〉化のために開発・再開発を推進した。こうして荒野開発には,通常3ヵ年ないし4ヵ年の官物免除と雑公事免除などの特典が与えられ,かつその開発のために〈私功〉〈功力〉(種子農料などの開発資本)を投下した者をもって開発地の主(所有者)とする慣習法が12世紀には一般化した。かくして,一部の寄生的な特権的支配層をのぞく社会のほとんどの階級・階層が開発に情熱をもやし,開発およびその寄進によって,荘・保・別名などのさまざまな開発所領が成立する。…

※「功力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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