兵庫県中南部,播磨平野のほぼ中央に位置する市。1967年北条,加西,泉の3町が合体,市制。人口4万7993(2010)。市の中心は江戸時代から山陰,山陽を結ぶ交通の要地であった旧北条町で,JR加古川線の粟生から出る北条鉄道の終点である。江戸時代から播州白木綿の産地として知られたが,用水不足のため現在は東隣の西脇市に中心は移った。これに代わって第2次大戦時の疎開工場が戦後三洋電機となり,関連下請企業を含めると市内の工業出荷額の半分近くを占める。市域南部の青野ヶ原は東西2.5km,南北8kmの広大な台地で,明治中期以降陸軍の演習地となり,現在も自衛隊の基地がある。1972年中国自動車道が開通し,大阪への交通が飛躍的に改善された。市内では良質の凝灰岩を産し,石仏が各地にあるが,なかでも北条の五百羅漢が著名である。北条町駅から南東2kmにある県立フラワーセンター(面積40ha)は800種20万株の花を集め,日本一の規模を誇る。
執筆者:小森 星児
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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