加賀市(読み)カガシ

デジタル大辞泉 「加賀市」の意味・読み・例文・類語

かが‐し【加賀市】

加賀

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日本歴史地名大系 「加賀市」の解説

加賀市
かがし

面積:一五一・六〇平方キロ

県の南西端、福井県境にある大日だいにち(一三六八メートル)を水源とする大聖寺だいしようじ川・動橋いぶりはし川の中・下流域を占め、東は小松市、南は山中やまなか町、西は福井県金津かなづ町・芦原あわら町に接し、北は日本海。南部は標高二〇〇―三〇〇メートルの丘陵地、中央部は低湿な盆地で、北部は低台地となっている。大聖寺川は市の南部中央から北流して大聖寺の市街地付近で三谷みたに川・熊坂くまさか川を合せ、台地南辺に沿って西流して日本海に注ぐ。東部を北流する動橋川は柴山しばやま潟に流入し、新堀しんほり川によって日本海に排水される。中央部をJR北陸本線・国道八号がほぼ並行して東西に通り、山中町方面から来る国道三六四号、芦原町方面から来る国道三〇五号が市街地東方で国道八号と合流する。福井県境のうし峠から北上する北陸自動車道は、橋立はしたて丘陵を縦断して日本海沿いに小松市へ抜ける。日本海沿岸は海食台と断崖の奇勝や砂丘・自然休養林など変化に富んだ景観を呈し、越前加賀海岸国定公園に指定されている。市域は古代より江沼えぬま郡に属した。

〔原始・古代〕

大聖寺・動橋の二河川が形成した肥沃な江沼盆地と盆地を取巻く資源豊かな丘陵地帯は、石器時代の頃から人々の好適な生活の舞台として選地され、各時代の遺跡分布が濃密である。市域の最古の人類生活の痕跡は、市街地の北東方に横たわる低丘陵上に所在する宮地向山みやじむかいやま遺跡である。県内では発掘調査が行われた数少ない遺跡としても知られており、斧形石器・掻器・石刃・剥片などの石器類が出土している。時期的には旧石器時代後期初頭から縄文時代草創期までの幅が想定されるが、当地域が東日本(東山系石器文化)と西日本(国府系石器文化)のほぼ中間に位置することから、今後の詳細な研究が期待されている。加佐かさノ岬に隣接する大野山おおのやま遺跡で、かつて縄文時代早期押型文(楕円)土器片とともに採集された斧形石器・槍先形尖頭器各一点も、草創期前後の所産である可能性が高い。縄文時代の最古の遺跡は、大野山遺跡採集の押型文土器片であるが、まだ包含層の所在を確認するに至っていない。ついで尼御前あまごぜん岬に近い千崎海岸ちざきかいがん遺跡では、前期初頭前後の小規模な包含層(佐波式期)を確認している。以上のように市域の旧石器遺跡や縄文時代初期の集落跡は、海岸にほどちかい段丘や丘陵の上で発見されているが、このことをもって当地域における一つの傾向性として認識すべきか否かは、なお今後の調査に待つべきであろう。

代表的な縄文集落遺跡としてふじ遺跡と横北よこぎた遺跡がある。

加賀市
かがし

2005年10月1日:加賀市と江沼郡山中町が合併
【山中町】石川県:江沼郡
【加賀市】石川県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「加賀市」の意味・わかりやすい解説

加賀〔市〕
かが

石川県南西部,金沢平野南端の江沼盆地を中心とする市。大日山の北西斜面を占め,南西で福井県に接する。1958年大聖寺町,山代町,片山津町,動橋町,橋立町の 5町,三木村,三谷村,南郷村,塩屋村の 4村が合体して市制。2005年山中町と合体。市名は旧国名による。北西は日本海に面し,海岸線に沿って砂丘台地,その内側に平野が広がる。東部,南部は山林が大部分を占める。中心市街地の大聖寺は大聖寺川に臨み,江戸時代から軍事上,交通上の要地。農業は米作が中心。機械工業も盛んで,特にチェーン製造は全国的に有名。伝統の加賀羽二重を中心に絹,人絹,合成繊維を生産。九谷焼山中塗,木彫人形,瓦などの伝統産業も盛ん。近年ではみやげ用菓子製造をはじめとした観光産業に力が注がれている。加賀温泉郷に含まれる片山津温泉山代温泉山中温泉がある。海岸一帯は越前加賀海岸国定公園に属し,原生林の鹿島の森,篠原のキンメイチクは国指定天然記念物,ガンカモ類の越冬地として知られる片野鴨池ラムサール条約登録湿地。文化財も多く,江沼神社長流亭,薬王院五輪塔などは国指定重要文化財。法皇山横穴古墳,狐山古墳九谷磁器窯跡(→古九谷古窯址)は国の史跡に,栢野(かやの)の大スギ,八幡神社の大スギは国の天然記念物に指定。大日山の付近一帯は山中・大日山県立自然公園に属する。北陸自動車道,JR北陸本線,国道8号線,305号線,364号線が通る。面積 305.87km2。人口 6万3220(2020)。

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