励起(読み)レイキ

デジタル大辞泉 「励起」の意味・読み・例文・類語

れい‐き【励起】

[名](スル)量子力学で、原子分子が外からエネルギーを与えられ、もとのエネルギーの低い安定した状態からエネルギーの高い状態へと移ること。

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精選版 日本国語大辞典 「励起」の意味・読み・例文・類語

れい‐き【励起】

〘名〙 原子・分子などが、外から熱・光・放射線などのエネルギーを与えられ、もとのエネルギーの低い状態からエネルギーの高い状態に移ること。

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百科事典マイペディア 「励起」の意味・わかりやすい解説

励起【れいき】

量子論によれば,原子・分子・原子核はとびとびのエネルギー値をもつ状態にしか存在できない。通常はエネルギーの最も低い基底状態にあるが,外部から粒子衝突や放射線の吸収などによりエネルギーを受けとって,より高エネルギーの状態に移行することがある。これを励起(状態)という。励起されたあとふつうは短時間で基底状態に戻り,その際両状態の差に相当するエネルギーをもつ電磁波(原子・分子では光やX線,原子核ではγ線)を放出する。→誘導放出
→関連項目核異性体カスレγ線蛍光原子核物理学自然放出レーザー

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化学辞典 第2版 「励起」の解説

励起
レイキ
excitation

物質系にエネルギーを与えて,エネルギーの低い状態から高い状態へ遷移させること.原子,分子や固体内電子など比較的小さい系の励起もあるが,結晶高分子生体物質など大きい系全体の関与する励起もある.光による励起分子前者の例であり,結晶内音子は後者の例である.励起は,光の吸収,粒子の衝突,電場・磁場の印加,音波・衝撃波の注入加熱など物理的方法によるほか,化学反応生体反応でも起こる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「励起」の意味・わかりやすい解説

励起
れいき
excitation

量子力学において,原子や分子などの粒子があるエネルギーをもった定常状態に,外部からエネルギーを与えて,より高いエネルギーをもつ定常状態に移すことをいう。

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